小説
呪術師の末裔
あらすじ
カリフォルニアの大学院で微生物学を学ぶ倉科礼央は指導教授から亡くなったエドワード・キンジー終身名誉教授の研究室の書類整理を命じられる。渋々引き受けた礼央が研究室で見つけたファイルには、キンジーがアマゾンの奥地で謎の“万能薬”を発見したことが綴られていた。そのファイルを読んだ礼央はキンジーの妻に会いに行き、彼女から“万能薬”が製薬業界の圧力で闇に葬られたことを聞き、万能薬のレシピを受け取って大学に戻った。すると礼央のもとに母が膵臓癌になり余命が幾ばくもないという連絡が入る。礼央は自ら培養した万能薬とともに実家のあるニューヨークに向かったが、母は病気になってから「大和の命」という新興宗教に入信したことを告げられる。母に教会につれていかれた礼央だったが、そこで紹介された日本から来た教祖の孫・花音にある提案をされる──。