私のこだわりは、地方にいてもお客様にサイン本を手にしていただける本の売り場を作ることです。
文芸書と文庫を担当するようになった当初は、サイン本は勿論のこと、サイン色紙も1枚もありませんでした。他の書店で初めて色紙を目にした時に、作家さんの直筆の文字から、人柄や温かみが伝わってくるようで感激したことを覚えています。そして自分が手がける売り場にも飾ってみたいと思うようになりました。
X(当時Twitter)を活用し始めたことをきっかけに、新たな繋がりから自店宛てにも色紙が届くようになり、それ以来作家さんの思いの込められた色紙を売り場に飾らせていただいています。初めての色紙は村山早紀さんの猫のイラストが描かれていたのでそれが招き猫になってくれたのかもしれません。今までいただいた色紙はすべて大切に保管してあり、正確に数えたことはありませんが300枚以上はありそうです。
サイン本はお客様の好みに合わせて熟考して店頭に並べています。村上春樹さん、綾辻行人さんのサイン本を並べたこともあります。先日は念願の京極夏彦さんのサイン本を並べて、お客様と一緒にわくわくしました。
今村翔吾さんや凪良ゆうさんなど作家さんがご来店くださった時には、作りたての直筆サイン本が店頭に並び、お客様から喜んでいただけました。
今は木爾チレンさんの文庫のサイン本を、累計30冊以上販売しています。学生さんもレジに持ってきてくださって、サイン本っていいな、小説っていいなと思ってもらえるきっかけになれば嬉しいです。本を好きな人が増えますように、本の未来に願いを込めて。
私の推し本
『団地のふたり』藤野千夜
双葉文庫
幼なじみの独身2人が生家の団地で暮らします。気の合う女友達と好きな場所へ行き、趣味や美味しい食べ物と飲み物で人生を楽しみ、ほんわかと幸せな時間が流れる物語。