私のこだわりは「お客様に新しい出会いの場を提供」することです。JR川崎駅に隣接する大型商業施設ラゾーナ川崎は、仕事帰りの方からお子様連れのご家族まで様々な方が来店されます。その一人でも多くの方に「目当てがあったけど、もう一冊買っちゃった」と言っていただけるような売場作りを心がけています。
アルバイト時代から現在まで、文庫担当をしている私が意識しているのは、POP作り、フェアや、目を引く展開など、単価が低く、「ついで買い」に結びつきやすい文庫ならではの、楽しい展開です。
特にPOPの作成には力を入れてきました。POPの役割は「本を手に取ってもらう」、「そのために本の力だけでは足りない部分を補う」ことです。新人時代、先輩に、「東野圭吾の新作に付けるPOPは何が良いと思う?」と聞かれて、返答に困っていると「【東野圭吾最新刊】とだけ大きく書けばいい」と言われ、強く合点した記憶があります。
ちなみに自分なりに上手く書けたなあ……と思ったPOPは、赤川次郎『マリオネットの罠』で、【作品数600を超える著者の最高傑作と言われる作品、読みたくなりませんか?】です。過去に、上司に同じ質問をしてみたことがあるのですが、「昔いたお店で、妙に売れている文庫があったんだけど、ある日バイトさんがそれに【なんか売れてます】ってだけ書いたPOPを付けて、さらに爆売れした時に、あれにはかなわないと思った」とのこと。確かにそれにはかなわないと思いました。
私の推し本
「教養としてのアントニオ猪木」
プチ鹿島 双葉社
「ヒーロー」でも「ヴィラン」でもない、すべての定義に収まらない、不世出のスーパースター「アントニオ猪木」を再考察。
読んだら猪木がさらに分からなくなる。それがまた楽しい。