エッセイ・コラム

私より先に丁寧に暮らすな

私より先に丁寧に暮らすな

短歌ブームのいま、最も注目を浴びる歌人の一人である上坂あゆ美が、独特の感性で日常を鋭角に切り取る痛快エッセイ!

第15回
桃鉄で百億円の借金を背負ったままで御社を志望 (2025年2月15日)
第1回
怒りって光と似てる 路地裏の掃き溜めすべてはじまりだった(2024年1月5日)
第2回
吐瀉物にまみれた道を歩いてく おおきなおおきな犬の心で(2024年2月5日)
第3回
ひび割れた世の中だけど君だけはいつでもつやつやしていてほしい(2024年3月5日)
第4回
ルフィより 強くてジャイアンよりでかい母は今年で六十になる(2024年4月5日)
第5回
かぼちゃの煮付けのような夕暮れに甘くしょっぱく照らされる家(2024年5月5日)
第6回
地球には言葉があってでもダメでだからぬいぐるみはやわらかい(2024年6月5日)
第7回
わたしたちみんなひとりを生きてゆく 横一列で焼き鳥食めば(2024年7月5日)
第8回
待ち合わせしましょう各々の最寄の海で すべてはつながってるから(2024年8月5日)
第9回
気がつけば三十歳でモロゾフのプリン容器が増えゆく戸棚(2024年9月5日)
第10回
沼津市で熱量を持つもの全てダサいと定義していた青春(2024年10月5日)
第11回
手を握らないで人間にしないで ここが地獄だと気づいてしまう(2024年10月26日)
第12回
天使って紙一重だよ いっぽんの棒がわずかにずれれば大便(2024年11月23日)
第13回
お前あの妹だろと言われてもたまたま同じ穴から出ただけ(2024年12月23日)
第14回
懸命に生きてる 丁寧じゃないけど払っているよ国民年金(2025年1月15日)
上坂あゆ美(うえさか・あゆみ)
1991年、静岡県生まれ。美術大学で様々な制作に取り組むもその道に進むことを断念。激務の営業職を経て、転職後に余暇が生まれたのをきっかけに短歌創作を始める。2022年に上梓した『老人ホームで死ぬほどモテたい』(書肆侃侃房)が大きな反響を呼ぶ。2023年8月にはニッポン放送『オールナイトニッポン0』でパーソナリティーを担当。短歌ブームの昨今において、現在最も注目を浴びる歌人の一人である。