博奕打ちの蓑吉が、真夜中の妻恋稲荷で石燈籠に頭をぶつけて死んでいた。臨時廻り同心の白縫半兵衛は、死体が見つかる直前に境内から立ち去った頬被りの男「弥七」を捜すため探索を開始する。そんな中、死んだ蓑吉と賭場で一緒にいた建具屋山城屋の三代目・藤吉も、浪人者を使って「弥七」の行方を追い始め──。博奕打ちの蓑吉は何故命を落としたのか、頬被りの男「弥七」の正体とは!? 「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く半兵衛の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第二十三弾!