浜町堀の稲荷堂で倒れていた旅装の女を見つけた岡っ引の弥平次は、女の傍に寄り添う幼い娘おつるを連れて小石川養生所に担ぎ込んだ。左腕に三分二筋の入墨があるその女の名は“弁天のお染”、江戸所払いになっていた女掏摸だった。己の死期を悟り、三年前に攫ったおつるを親元に帰そうと江戸に舞い戻ったお染。その願いを叶えようと、弥平次はおつるの親捜しを始めるが――。江戸の岡っ引たちから一目置かれる弥平次親分と個性豊かな手先たちの活躍を描く人情捕物の傑作。新装版シリーズ第3弾。