深川で、岡場所帰りの客が一刀の下に斬られる事件が立て続けに起こる。やり口からして、手練の者による犯行であるのは明らかであった。奉行所が警戒を強める中、今度は吉原帰りの客が斬られる事件が発生する。盟友の来合轟次郎から一連の事件のあらましを聞いた用部屋手附同心の裄沢広二郎は、下手人として浮かび上がってきた「大物」に単身、接触を試みる。