かどわかしの一件の後、屋敷に籠もって姿を見せなくなった関谷家の娘・茜。そんな隣家の娘を案じる裄沢広二郎の耳に、茜の縁談の噂が飛び込んできた。その相手は、過去に二度も離縁している南町の中年同心だった。そんな中、八丁堀の屋敷の門前に立ち裄沢の帰りを待つ若侍の姿が――。道理に合わなければ上役にも臆せず物申す、やさぐれ同心の奮闘と奉行所内の人間模様を描く、書き下ろし痛快時代小説、人気シリーズ第六弾。