神田の剣術道場の一人息子、間野生馬は十五になる前に江戸を発ち、長年の武者修行を終えて道場に戻ってきたのだが、かつての道場は火事で焼け出された長屋の住人たちの住まいと化していた。困っている人たちを追い出すわけにもいかず、途方に暮れる生馬は再び江戸を離れることを決意する――。「返り忠兵衛 江戸見聞」「御家人無頼 蹴飛ばし左門」で人気の著者が贈る、痛快時代シリーズ第一弾!