かつて故郷沼里を出奔し江戸で作刀の裏稼業を営む鎌幸が、湯瀬直之進に用心棒を頼みにやってきた。盗み出した名刀“三人田”をめぐり、命を狙われているという。一方、囚われの身となっていた同心樺山富士太郎は、救い出されてすぐに伝通院で見つかった身元不明の死体を見聞にいくが……。人気時代小説、シリーズ第三十二弾。