護国寺参りの帰り、母親の田津とともに小日向東古川町を通りかかった南町奉行所同心樺山富士太郎は、突然、この近くで湯瀬直之進の亡骸が見つかったと浪人姿の男に声をかけられた。動転した富士太郎は、直之進の女房おきくに知らせてほしいと田津に頼み、浪人とともに現場に向かう。一方直之進の長屋を訪ねた田津は、そこに直之進の姿を認め……。