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バズる

 

 ネットニュース、見ましたか? 僕、有野が久々にネット記事になりました。ゴシップとかではありません。

 僕がやってるYouTubeチャンネル「有野ダークサイドch」内にて、スタッフから

「ネットで有野って最近見ないよねって言われてますよ。有野さん、働いてますか?」

「働いてるわ!」

 と、現在僕が抱えてる仕事を全部話すことに。数えてみたら、この連載も含めて11本もあって、意外と働いてますね、となった。簡単に言えばこんな内容なんですけど、気になった方はチャンネルへどうぞ(宣伝)。

 その動画がサムネのパンチと内容のおかげか、再生数が多かった。僕が働いてないというマイナス意見に反論するというのが、ネット記者の好みのテーマやったみたいで、一つの媒体が記事にあげたら、え、結構回るやんと、二匹目のドジョウ、三匹目のドジョウがどんどん出てきました。失礼な書き方もあったけど……まあ、見られてナンボの芸能界にいるので良かったです。

 ということで今回は、それまでネットの意見を黙って見てた僕の気持ちとかを書いてみようかと思います。はじめに書いておきますが、怒ってはいないです。理由は簡単。「無料で宣伝してくれてる、ありがたいなぁ」が下地にあるから。

 ライブやるにしても、新曲出すにしても、宣伝活動が一番お金かかるからね。まあ、僕は新曲1回も出したことないけど。

 そういえば、長らく連載をやってるアイドル誌「BOMB !」でも似たような話を書いたことがあります。

『あの人は今!?』(日本テレビ系)って番組のとある回で、昔のアイドル追っかけてみたら、今もライブハウスで活動してました……って、よく考えたら失礼な話で。そのライブハウスに来てるずっとファンの人らは、「今も彼女は現役ですよ」って言うてはってさ。テレビの中だけが活動の場所ちゃうのにな。

――みたいなことを、他人事のつもりで書いたときには、まさか自分にも降りかかるとは思わんかったです。

 今回の動画が配信されると、今までで一番コメントの書き込みがありました。あらーありがたいねー。読んでみると、ファンの人らは今も“課長”を応援してくれてるし、関西のロケ番組も、FODも見てくれている。ありがたいやん、ってのが再確認できました。

 その一方で、内容よりもそのコメント数・閲覧数で食いついてきたのがネット記事でした。

 Xのポストで見かけたので読んでみると、ちゃんと調べて書いてはないなーって感じで、誤情報もありました。記事のコメント欄を読むと……ん? ファンの人らとは、受け取り方が違うなと思いました。

 それはそうです。自分のYouTubeチャンネルでは、自分のファンが「有野さんの活躍を自分は知ってまっせ!」って言うてくれてる。守ってくれる、肯定してくれるコメントがたくさん入ってきました。でも、ネットニュースには知らない人が、斜めに読んでコメントを書き込みます。

「結構働いてるじゃん、儲けてるのかな?」

「これくらいは稼いでるんじゃん」

「すげーじゃん、そんなことより」

 って感じです。あとは中傷ばかりです。

 怖いですよね。傷ついたんじゃないか、って思いましたか?

 僕を詳しく知る人からしたら分かるとは思うんですけど、僕はその“心が傷つく”って感覚がないんです。転んで怪我するのは大嫌いですよ。タンスの角に足の小指ぶつけて骨折したことがあるんですけど、それ以来、家の中ではちゃんとスリッパを履くようになりました。歳を重ねて移動が億劫になったせいか、家の中でもショートカットしようとするようになったので、必要な対策です。

 そう、大事なのは、“対策”です。

 そもそも、ネットでの中傷を防ごうと思ったら、家にこもって何も発信しないようにするしか対策はないんですよね。芸能の仕事においてはダメでしょ。発信し続けないといけない。ネットがない時代、映画の時代の次、テレビが娯楽の真ん中にあった頃、クレームはまずテレビ局に行って、それが各担当プロデューサーに伝わって、マネージャーがそれを聞いて、タレントに伝えるかどうかは各会社判断となってました。

 なので、誹謗中傷を本人に伝える手段は手紙くらいでした。それも事務所によっては、事前にチェックされて廃棄されることも。タレントの目に入らないようにして、芸に邁進できるように、守るのが会社やからね。

 

 ネットが普及すると、いろんな人がモノ言えるようになった。テレビ見ながら家族と話すようなこととか、自分の近しい人にそんな言い方するかなってことも、どんどん書き込む。そうなってくると、会社は守りきれないし、見ちゃうと中傷される側は疲弊する。見ないしか対策はないのに。

 僕? へっちゃらです。

 なんで? 書き込んでいるのは、自分の知らない人だからです。その人は書き込む場所があるから書き込んではるだけで、必ずしも自分への意見ではないからって考え方が、僕の対策です。

 なので、自分のテリトリーではないところの書き込みは気にしないんです。通りすがりの人の独り言っていうのかな、「なんか話してはるわ」って程度。怒ってたら近寄らない、聞き返さない、そんな感じ。もちろん、プロデューサーの意見は聞きますけど、僕の全部を知らない人の意見までは聞いてられないでしょ。この仕事やってる人でもないし。そんな知らない人の独り言に傷つくって、“僕”がもったいないって思っちゃう。

 

 あ、今回のコメントが多くなった原因ですが、実は心当たりもあります。

 自分のYouTubeチャンネルの生配信中に、

「ネット記事にもなってるやん、みんなで書き込んで有野人気やんって思わせて! お願い!」

 って煽ったんです。そのおかげか、別のネット記事にも上がりだしました。そうなったらブーストかかった感じで、どんどん記事が出てきます。晒されると、賛否の否が増えていきます。だって、自分には関係ない人で、しかもそれが意外に儲けてる芸能人なら、石投げたいでしょ。コメント欄も荒れます。すると群がってくるのが、ネット記事ライター。アルバイトか社員かどうかも知らない人に書かれてるので、こちらも想像で書きますよ。

「これで閲覧数増えるの? だったら俺も書こうかな」

 って、軽いノリで、コメント欄の反応とか簡単にまとめて記事にする。

 昔話で言うところの、大きなつづらを持って帰ってバチが当たる、隣の欲張りなお婆さんです。ただ、ネット内ではバチが当たらへん。ちゃんとPV数が取れる。

 数字が取れるとわかると、今度は掲示板の5chやらいろんなところにも転載されていきます。僕のブログの閲覧数も普段の10倍まで上がってたけど、翌日には3倍、3日目にはいつも通りでした。人の噂も七十五日と言いますが、ネット内では人の噂も2日です。早っ!

 ネットでは広がるのも早いけど、鎮火するのも早いです。今回話題になった動画、番組スタッフからはお礼を言われました。けど、どれくらい新規の視聴者数が増えたのかは分かりません。懐かしいな、まだやってんだって人が来てくれてたらええけど。

 といった感じで、ネットの意見は聞きませんが、プロデューサーの意見は聞きます。長いものには巻かれる派です。