群馬県にある世界遺産・富岡製糸場で、警視庁捜査一課の西本刑事が毒殺された。数々の難事件に共に挑んできた若き同僚の死に、十津川警部は悲しみと怒りをこらえて捜査に乗り出す。西本は九ヵ月前に休暇を取り、上州路を走る上信電鉄を撮影していた。さらに同じ頃、恋人の牧野美紀が失踪していたことが判明し、十津川警部は西本の死との関連を疑う。そんな折、高崎の達磨寺の境内で女性の他殺体が発見される。