1934年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇るこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。租界で商売をする彼のもとに、原田ユキヱという謎めいた女から極上の阿片と芥子の種が持ちこまれる。次郎は上海の裏社会を支配する青幇の一員・楊直に渡りをつけ、阿片ビジネスへ手を染めていく。やがて第二次上海事変が勃発。関東軍と青幇の暗闘が激化し、日本人であることを隠して裏社会の階段を上る次郎は窮地に陥る。軍靴の響き絶えぬ大陸で、阿片売買による莫大な富と栄耀に群がり、燃え尽きていった男たちの物語。
定価:1,210円(税込)
判型:文庫判
ISBN:978-4-575-52829-9
発売日:2025年3月12日
1934年上海租界
歴史×ノワール巨編
渇仰、愛憎、絆、裏切り。絢爛たる混沌に身を焦がす、古き上海の獣たち。その血潮の熱さに激しく酔う。
澤田瞳子
巻を措くあたわず。作者の灯した幻燈のような物語を読み耽り、そのあまりの実力の高さにひたすら圧倒されてしまった。
真藤順丈
(週刊文春2023年5月25日号)