医者の家の三男坊である大平将太に妹ができた。というのは、長崎の薬種問屋に江戸における商売に有益な縁談がまとまり、嫁入りする当の娘が家格の釣り合いを取るため、まずは養女として大平家に入ったからだった。将太はあろうことかその妹にひと目惚れ。そのうえ縁談は破談になってしまった。長崎にも帰れず、居心地悪そうにする妹に将太は冗談を言うなどして、強張った心をほぐしてやるのだったが……おっと、こちらにも気になる兄と妹が!? 好評書き下ろしシリーズ第9弾。