結婚、かあ~。27歳の春崎悠太は、学生時代からの恋人・さやかと同棲している。友人たちが続々と結婚して子どもを持つ中、さやかからも急かされ、そろそろ結婚しなくちゃ、と思う。だけど、なんだか気持ちが乗り切らない。相手の両親に会っても億劫に感じる。それでも「みんな」が結婚しているから、自分もそうしたほうがいい。意を決して婚姻届を出したその日、さやかと大げんかをして離婚へと突っ走ってしまう。そんなふたりの前に、なぜか数か月前に死んだ大学時代の友人・ヒロの幽霊が現れて――。
気鋭の著者が描く「結婚」と「家族」。世間のしきたりを超えた、新たな絆の物語。