土佐藩の姫君の輿入れ道具としてつくられた、小さな猫の細工が盗まれてしまった。秘密裏に行方を探すことになった徳川竜之助は、細工職人のもとを訪ねてきた嫁ぎ先の用人が怪しいと睨む。そんな小さなものにまつわる事件を竜之助が調べる一方、日本橋の魚河岸では、漂着し、うち揚げられた巨大なクジラが突如いなくなるという不可思議な出来事も発生し、大きな騒ぎを巻き起こしていた。傑作時代小説シリーズ新装版、第七弾!