小六の美々加は、シングルマザーのママに恋人ができて以来、学校の帰り道に道草をするようになった。ある日、黒猫のあとをつけて巨木の根元の空洞をくぐり抜けると、知らない家で目を覚ます。くみ取りのトイレやダイヤル式電話、学校ではこっくりさんに夢中な級友……。どうやら昭和49年にタイムスリップしたらしい。当たり前のように美々加を「さら」と呼び、たっぷりの愛情を注いでくれる小岩井家の次女としての日々が始まった――。優しさと温もりに包まれた、ノスタルジックな冒険譚。
時穴みみか
定価:913円(税込)
判型:文庫判
ISBN:978-4-575-52734-6
発売日:2024年3月13日
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平成生まれの少女がある日突然、昭和49年へ。
しまいの方を読んで感きわまって慟哭。 町田 康氏(「週刊エコノミスト」2015・3/31号)
こらえることができず私は泣き、最後は嗚咽した。 角田光代氏(「週刊文春」2015・4/9号)
シリーズ累計20万部超『じい散歩』著者、隠れた名作が9年越しの文庫化!
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時間は止められず、人は必ず命を終え、その幸福はいつかすべて消え去ってしまうことを私たちは知っている。けれども、それが本当にあとかたもなく無くなってしまうわけでないということを、私たちはこの物語のラストに知る。
田中兆子氏(解説より)
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