「よう頑張ってるなあ」
局の出入りのクリーニング屋の女性が、袋を抱えて言った。俺は笑って、受け取りのハンコを押した。朱肉の匂いが強くて、鼻の奥がつんとした。その匂いの向こうで、別の匂いがふと立ち上がる。雨の匂いだ。
配達に出ると、空は鉛色で、細かい雨が降っていた。風がきつく、おそらく傘をさしても横から吹き込んでくるだろうと思った。俺は当然、傘は差さない。ビニールのカッパが肌にまとわりついて、気持ちが悪かった。
北のブロックに、あの男の家がある。門扉の前まで来て、俺は一度、足を止めた。ポストの上に小さなひさしがついている。うちの町の古い家に多いタイプの、金属製の軽いひさしだ。
俺は封筒を差し込み、ひさしを指で押し上げた。いつもなら、ぱたんと閉じるまで確認する。今日は、手を離した。ひさしは、風を受けてわずかに揺れた。雨粒が、口の隙間から中へ転げ落ちていく。宛名のインクが滲む様子を想像して、いつもどろどろ、ぐつぐつと熱い心のどこかが冷たく静まった。
後悔すると思った。俺は小心者だから、罪悪感とか、バレたらどうしようとか考えて、結局元に戻すことになると。
ところが、何も起こらなかった。驚くほど、何も。心拍は速くも遅くもならず、手も震えない。本当に何も起こらなかったから、俺は何もしなかったみたいに、その家を離れた。
夕方、俺は同じブロックを回った。門扉の陰から、あの男が出てきた。封筒の束を胸に抱え、ぐっしょりと湿った紙の匂いを漂わせながら、深く頭を下げる。「いつもありがとうございます」。それだけ言って、彼は家の中に戻っていった。苦情はない。顔色も、特に変わらない。
胸の奥で、何かが小さく音を立てた。俺のほうが驚くほど、ほっとしていた。「ばれていない」。その安堵が、すぐに別の色に変わる。「もっとできる」。
帰りにコンビニに寄って、安いボールペンのセットを買った。青、黒、赤。家に帰ってノートを開く。さっきまで頭の中の机の上にあった箇条書きが、紙の上に現れる。
「順路の入れ替え→月曜・木曜」
「ひさし→雨の日優先」
「封筒角→厚めの封書を選ぶ」
「小包の下敷き→昼の便で」
「誤配→隣家に一件だけ」
「印の忘れ→夕方の疲れた時間帯」
赤で丸をつけ、矢印を引く。手は落ち着いて動く。ペン先の滑りが良い。
自分に言い聞かせた。
これは復讐だ。俺は何も間違っていない。あの男は、俺の兄を殺した。たとえそれが「不注意」だったとしても、結果は同じだ。人殺し。俺の家族は、二度と戻らない。法律がどう言おうと、たった一人の肉親を奪われた損失は、奴の反省や賠償では補償できない。
日々の作業は、ずっと正確になった。一つのミスもしないようにした。
丁寧に挨拶し、荷物には「お気をつけて」と笑顔を添える。年配の人に重い箱を持っていくときは、家の中のどこに置くべきかまで聞く。業務に差しさわりのない範囲で、話にも付き合ってやる。なんでもやった。できることは。道端で自転車のチェーンが外れて困っている子どもがいれば、しゃがみこんで直してやったし、町内会のボランティアには全部参加した。捨て犬や捨て猫の里親探しなんていうのもやった。俺は、町が期待する「いい子」を演じきった。
演じれば演じるほど、心の泥はよく撹拌された。濃く、重く、底に沈まない。その泥の上に、白い清潔なシーツをかける。それが俺の日常になっていく。しっかり掛けて、皺を伸ばし、角を丁寧に折る。シーツはいつも真新しく見える。けれど、めくればすぐに、ひどい臭いが立ちのぼっただろうね。
兄の写真立てを机の端に置いた。笑っている写真だ。誰かに撮ってもらったのだろう、少し照れくさそうに目を細めている。俺はその前に座り、声に出さずに話しかける。「今日も頑張ったよ」と。返事はない。静かなだけだ。窓の外は闇で、街灯のオレンジ色が薄く滲んでいる。風が枝を揺らす音がする。巣箱は空だ。
時期が来て、雨が続いた。俺のノートの「ひさし」の項目は、斜線で塗りつぶされるほど実行回数が増えた。封筒の角は控えめに潰す。厚紙の封書に指を当てて、わずかに圧をかける。折り跡がつかない程度に、しかし確実に角の形をいびつにする。小包は、台車のいちばん下に置いて、その上に他の箱を重ねる。角が凹んでも、運搬中の事故だと説明できる。誤配は、めったにやらない。一度きりの誤配は「誰にでもある」で終わるが、二度は危うい。ノートには、日付と実施内容と感触が簡単に記されていく。
自分でも驚くほど、慎重だった。復讐という言葉から連想される激情や衝動から、むしろ遠ざかっていった。冷えるほどに、うまくやれた。怒りは、表に出すより、細く長く、生活の隙間に染み込ませるほうが効く。歯に挟まった肉の筋のように、いつまでも気になり続ける。
同僚が新しい靴を自慢した朝も、俺は「ええやん」と言いながら、別のことを考えた。天気予報を見てカウントダウンする、次の雨までの日数。ノートの余白。ゴミ出しの日。あの男の家の前の排水溝の位置。道路の傾き。雨水の流れ。ポストの口の高さ。指の角度。全部、具体的なものばかりだ。抽象的な復讐なんてない。きちんと考える。そして、実行に移す。
ある夕方、配達の最後の一軒があの男の家になった。意図してそうしたのか、手が自然にそう並べたのか、もうわからない。空には重たい雲がかかっていたが、雨は降っていなかった。俺は封筒を差し入れ、ひさしをそっと撫でて、閉じるのを遅らせた。ほんのわずかの隙間から、夜露が入るだろう。朝には紙が湿って、指にへばりつく。そんな些細な不快さを、俺は思い描いた。
門扉の金具が擦れる音がして、家の奥から女の声が聞こえた。たぶん、あの男の妻だろう。俺は会釈し、足早にその場を離れた。背中に視線が刺さる。見られている、と思う。その緊張は、すぐに快楽に転じた。見られても、俺は何も間違っていない。配達員が配達をしただけだ。誰も俺を責められない。
その夜、ノートに書いた「開始」という文字を見つめた。いつ書いたかは覚えていない。どう書いたかは覚えている。
ページの上で、黒いインクが滲んでいる。初めてあの男の郵便受けのひさしを戻さなかった日。ペン先を紙から離さず、点を打つように同じ場所を二度、三度と突いた。だから、滲んで、汚れている。
善人のまま、復讐をし続ける。
誰にも気づかれない。誰にも咎められない。
だから、自分自身ですら、時々忘れることがある。今、何をしているのか分からなくなる。
「開始」とは、なんの開始なのか。何が始まったのか。
夢を見た。台所で兄が湯気の立つマグを差し出す夢だ。俺は受け取ろうとして、手が濡れていることに気づく。水ではない。薄く灰色に濁った雨だ。マグの縁からこぼれ、床に落ち、足下の新聞の活字を溶かす。兄は口を開くが、音は出ない。目覚めると、喉がひどく渇いていた。蛇口をひねり、水を飲んだ。ひどいカルキの味がした。
次の手を、俺はもう考えていた。呼び鈴を鳴らさずに不在票だけを入れて、再配達の手間を増やす。押印の位置をわずかに曲げて、書類に汚れを残す。配達バッグの底に砂を少し落としておけば、箱のテープにざらつきが付く。どれも、誰にも説明できる範囲。「不注意」で済まされる。不注意は世界に許されることを、俺は誰よりも知っている。
朝のラジオ体操の音楽が遠くで流れる。窓を開けても、鳥の声は混ざらない。俺はカーテンを閉め、制服の胸ポケットにノートを差し込み、出勤した。今日も笑う。笑いながら、泥を撹拌する。今日も配る。配りながら、少しずつ、少しずつ、奪う。
「開始」はあっても、「終了」は予定がない。終わらせる理由がどこにも見当たらなかったからだ。雨の日はひさしを開け放ち、スケジュール通りに封筒の角をわずかに潰した。角が丸く崩れれば、紙の束は自重でずれやすくなる。自然だ。大したことではない。郵便は届く。ただ、開けたときの手触りが悪くなる。それだけだ。嫌がらせにもなっていないとすら思う。
配達順を一つだけ入れ替える。不在票の投函を数分遅らせる。印鑑の位置を、ほんの一ミリ右に寄せる。すべて「たまたま」で説明がつく。俺のノートには、実施の日時と対象、天候と手応えが記されていった。文字は乱れない。怒りは、線をまっすぐにする。
しかし、あの男だけは、気づいているはずだった。一つ一つは嫌がらせにもならない些細なことでも、何度も続けば。それに、配達員は他ならぬ俺だからね。
ポストの口に指を差し入れて、湿った封筒の束を抜き取る仕草が、以前より慎重になった。受け取りに出てきたとき、角の潰れた厚紙の封書を両手で撫でていた。その目が一瞬、俺の胸元の名札に落ちる。けれど次の瞬間には、いつものあの会釈と、あの言葉だ。「いつもありがとうございます」。
罪悪感? とんでもない。怒りだよ。
何がありがとうございます、だ。気づいているのに、なぜ言わない。なぜ、俺を罵らない。なぜ、俺に怒鳴り返さない。怒られたいのではない。怒られれば、俺の中の濁りは少しは形を持つ。輪郭ができれば、扱いようもある。けれど、無意味な「ありがとうございます」だけが積み上がる。また、奴の作った——いや、奴と俺が共同で作った、感動的な劇の演者になってしまっている。
周囲の称賛は相変わらずだった。配達の途中、床屋の前を通りかかると、主人が店先に出て「おい藤野、これ持ってけ」とよく冷えたペットボトルを差し出してくる。「この間もありがとうな。あんた、ほんまようやってるわ」と声をかけてくる。団地の一階で植木をいじっている老人が、腰を伸ばしながら「兄ちゃん、偉いで。あんたみたいな立派な人おらん。うちの孫にも見習わせたいくらいや」と笑う。俺は照れたように笑う。笑顔はあの日から、こびりついて取れない。
夜、兄の机に肘をつき、薄いシェードの明かりの下でノートを開いた。ページの隅に、ふと鳥の形を落書きする。丸い胴、短い尾。兄よりずっと上手く描ける。しかし、本物の鳥とは、あの上手くないイラストよりずっと離れているような気がする。原因は分からなかった。
その日は、雨は止んでいた。それでも、どの建物も、雨に濡れて乾いていない。俺は北側のブロックの最後に、あの男の家を置いた。順路表を見れば偶然の配置に見える。実際、偶然の範囲内だ。最後の封筒を差し込んでひさしに触れようとしたとき、門の内側で、重いものが地面に倒れ込むような音がした。反射的に門扉を押し開ける。庭の中央に、あの男が横向きに倒れていた。腕で腹を抱え、顔は妙に黄色かった。いや、黄色というより、灰色に黄色を塗ったみたいな色だ。汗が浮き、薄い唇が乾いてひび割れている。
駆け寄った。それも反射だった。
「大丈夫ですか」と言うと、男は「すみません」と掠れた声で答えた。痛みの場所が、言葉より先に伝わってくる。俺は携帯を出し、119に電話をかけた。名を名乗り、場所を告げ、男の状態を伝え、指示どおりに声をかけ続ける。呼吸は速く浅い。「意識はありますか」「あります」「持病は」「分かりません」「そのまま動かさないでください」「分かりました」救急車のサイレンが近づくまでの数分が、異様に長かった。
救急隊員が到着し、質問が矢継ぎ早に飛ぶ。配達途中だったこと、倒れているのを見つけたこと、ここ数日、顔色が悪かったことを話した。担架に乗せられるとき、男は俺の袖をつまんだ。「すみません」ともう一度言った。それは謝罪ではなく、頼りにしたいという仕草に近かった。俺はまた反射で「大丈夫ですよ」と答えた。救急車のドアが閉まり、赤い光が狭い路地の壁面に揺れた。
数時間後、病院の待合で、俺は所在を持て余していた。連絡を受けたらしい妻が到着し、受付で名前を名乗る。看護師に促され、妻は診察室のほうへと消えた。そして消える前に、「あの人も一緒に」なんて言った。看護師は何も言わなかったので、ゆっくりとついて行って、なんとなく、彼女が入った診察室の前の長椅子に座った。呼ばれたわけではない。けれど、なんとなく帰ることもできなかった。
別の看護師がこちらを見て、「さっきの方ですよね。通報してくださった」と声をかけてきた。「はい」と答えると、「本当に素晴らしいことをしましたね。意識、あるうちに運べたので」と微笑んだ。褒められているのだ。どこへ行っても、褒められる。
やがて医師の説明が始まったらしい。半開きの扉の向こうで、固い語が小さく連なる。「画像」「腫瘍」「膵頭部」「閉塞」「黄疸」「進行」。妻の短い息の音。椅子の脚が床を擦る音。俺はぼんやりと立ち上がって、そばの自販機で水を買って口に含んだ。カルキの味がしない。
しばらくして、妻が出てきて、俺に頭を下げた。げっそりとしているが、なぜか俺を見る目には安心の色があった。
「先ほどは、ありがとうございました」
目は腫れていたが、声も落ち着いている。医師の言葉をなぞるように彼女は言った。
「膵臓……膵臓の癌なんですって。あの、もう、けっこう進んでいるみたいで」
俺は「そんな……」と言った。
「はい。もう、手術とか、そんな話では、ないみたいで……」
何も返答しないでいると、妻は続けた。
「うちの人が、お礼を言いたいらしいです。いいですか? ここまで付き合わせてしまって、本当に申し訳ないんですけど」
「いえ、俺は大丈夫です……でも、もう、お話しできる状態なんですか?」
「はい。少しだけなら、お医者さんも平気だって言うので」
看護師が手招きをする。
病室は静かで、窓のブラインドの隙間から夕陽が漏れていた。男は点滴につながれ、鼻に管をしていた。明るいところで見ると、顔色はさらに黄味を帯び、頬が落ちている。
どろりとした目が、はっきりと俺を捉えた。俺が何か言う前に、男はかすかに笑った。
「ああ……藤野さん」
声が紙の上を擦る音みたいに弱い。
「やっぱり、あなただったんですね。ありがとうございます」
「たまたまです」
と言った。俺の言葉は、いつもどおり、形だけ整っている。
「妻から、聞きましたか? 俺はもう」
「大丈夫です」
この時だけは、本心からの「大丈夫」だった。
「大丈夫です、言わなくて」
この男の「終了」を知りたくなかった。それだけだ。
男はまた、微笑したように見えた。
「藤野さんは、いつも優しいですね」
「そんなことは」
「優しいですよ。本当に」
男は俺の言葉を遮って言った。
「よく覚えています。あのとき、言ってくださったこと。『大丈夫です、これからは仲良くしてください』って」
「……はい。あれは」
「あれに……救われたんです。あれがなかったら、俺、町に居づらかった。顔も上げられなかった。でも、大丈夫って、あなたは」
脳の奥で何かが爆ぜる音がしたのに、顔は笑顔のまま、戻らなかった。俺は笑ったまま、「そんな昔のこと」と言った。口角が引きつる。頬の内側に歯が触れ、また血の味が滲む。男は気付いていなかった。目を閉じていた。辛かったんだと思う、体が。何度も浅く呼吸をしていた。
「何度も藤野さんの言葉を思い出した。大丈夫って。到底許されないことをしたのに、許されて……生きていていいんだ、と思えたから。毎日……やっていけた。ありがとうございます」
許されて——その文の形が、内側を鋭く切った。許されたなんて、思い込みだ。俺はお前に生きていていいなんて言っていない。一度だって許したことはない。許したふりをした。善人の地位を築いた。その地位を盾にして、お前の足元を少しずつ崩してきた。湿った封筒、折れた角、遅れた荷物。お前が気づいている気配を見ながら、その沈黙に、さらに憎悪を燃やした。何度も、何度も、何度も。
口を開いた。
「俺は、何もしてないですよ」
言葉を吐き出すたびに、鉄の味がした。
「でも、あなたが前を向けたなら、よかったです」
「よかったです」と、俺は言った。よくはない。何一ついいことはない。だが、声はその字を選んだ。男は微笑んだ。看護師が時間の合図をし、俺は軽く頭を下げて病室を出た。
廊下に戻ると、看護師が言った。
「通報してくださって助かりました。ご家族も、ほんと感謝してはりました。なかなか、できることやないです」
もう聞いたことだ。何度も繰り返すなと思った。でも、俺は否定しなかった。「いえ」とだけ言った。ロビーに降りると、男の妻が追いかけてきた。もう一度礼を述べ、深く頭を下げた。俺は肩に手を添え、「どうかお大事に。奥様も、ご無理をされませんように」と言った。その言葉は、口からいちばん自然に出る言葉だった。幾度も使ってきた善人の言葉だった。俺の盾だった。
病院を出ると、もうほとんど日が沈んでいた。商店街の端で、たこ焼き屋のおばちゃんが手を振ってくる。
「あんた、救急車呼んだんやってな。偉い、偉い」
どこで知ったのか。町は狭い。俺は笑って頷いた。
局に戻れば、上司が「さっき連絡があってな。配達中に対応してくれたそうやな。ようやった」と肩を叩く。休憩室では同僚が缶コーヒーを渡しながら、「藤野はやっぱり違うわ」と言う。違わない、と言い返したかった。けれど、やはり笑って受け取る。
称賛は、手紙の束のように重なる。一枚一枚は軽いのに、束になるとずしりと手首にのしかかる。俺はその重みを、家まで持ち帰った。玄関のフックには、まだ兄のジャケットがかかっている。袖に触れる。布の温度は、いつもどおりだった。台所に水を張り、コップをすすぎ、冷蔵庫から冷たい麦茶を出す。喉を通る液体は、カルキ臭い。
机に座り、ノートを開く。黒いボールペンで書く。「救急」。その下に、小さな字で「膵臓癌」。さらに「感謝」と記した。三つの名詞が、俺の心の底で反発し合う。救急は善の行為の名、膵臓癌は病の名、感謝は許しの別名。書いたところで、何も意味がない。俺の心は変わらない。
窓を少し開ける。夜風が入る。何も寄り付かない巣箱があの日のまま、そこにある。兄がいない。兄のいない世界の中で、俺は笑っている。笑いながら、濁りはさらに濃くなる。あの男が、俺の言葉で救われたと思っていること——その事実が、俺の怒りを新しくした。病では足りない、と心が囁く。もっと長く、もっと鈍く、もっと執拗に。毎日毎日、静かに沈んでいくような苦しみを。そうでなければ、釣り合わない。俺の努力と、兄の不在と。