僕は三年前に小学校の教員を辞めた。昼間の世界から逃げ込むようにして就いた夜勤の警備員の仕事。他人と深く関わらずに生きようと決めていたはずだった。でも、勤務先で置引未遂を起こした女児との出会いが僕の止まっていた時間を動かして……。損をしてまで誰かを助けることは愚かなことだろうか?挫折した青年の再生と新たな一歩を描く、書下ろし長編小説。