富生が故郷の館山を離れ上京してから20年以上が経った。母が亡くなって以来ほとんど帰らなくなった実家には、78歳の父が一人で暮らしている。その父の様子が最近おかしい。久しぶりに実家を訪ねた富生は、弱くなった父の姿を目の当たりにする。不安に駆られ父との同居を決めるが、富生には付き合って8年になる恋人が東京にいて……。