日本橋富沢町の古着屋〈万紅屋〉の次男貴之助は、生まれた境遇への反発から家業に背を向け絵師を志すが、その修練にも今ひとつ身が入らない。そんな折、鵠沼村の網元が娘を連れて万紅屋を訪れ、婚礼衣装の仕立て直しを依頼してきた。店の主で父親の義一郎らとともに父娘の依頼を聞くことになった貴之助は、終始うつむき加減で黙したままの娘に違和感を抱く――。向こう気が強くて天邪鬼、近所でも評判の放蕩息子が古着商いの世界に身を投じていく姿を活き活きと描く、書き下ろし長編時代小説、期待の新シリーズ第一弾!