協調性がなくてマイペース、それでいて人畜無害な、いい人――そんな羽野未知生が不慮の事故に遭い、41歳の若さで突然この世を去った。葬儀に参列した高校の同級生や大学時代の元カノ、会社員時代の同期や上司は、在りし日の想い出を振り返りながら、自分自身の〈今〉を見つめ直す。そして遺された家族もまた、未知生のいない日常を歩みはじめるが――。
 イマイチつかみどころの無いキャラの未知生と、生前うっかり関わってしまった者たちの〈これから〉を描く書き下ろし長編小説。