夫を亡くした由美は、哀しみのなか、息子の茂を育てていた。野球少年の茂を通して、亡き夫の想い、そして息子の成長を知るーー(「夕空晴れて」)。失踪した親友の妹・公子を訪ねた是水は、いまだ兄の行方を追う公子と話すうち、若き日に事故で亡くなった大切な弟のことを思い起こす(「くらげ」)。「大人の流儀」シリーズの著者にして、短編小説の名手が描く、6つの物語。哀しみを抱えている人に、そっと寄り添い、少しずつでも前に歩き出せるよう、背中を押してくれる。そんな物語が詰まった珠玉の短編集。
哀しみに寄り添う 伊集院静傑作短編集
定価:715円(税込)
判型:文庫判
ISBN:978-4-575-52659-2
発売日:2023年5月10日
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大切な人を失い心にポッカリ穴が空いた……そんなあなたに「大人の流儀」シリーズの著者が贈る優しく、温かい物語。
小説は哀しみにくれる人を救うことはできない。ただ寄り添うことはできる 伊集院静
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あなたを包む哀しみが、この物語で少しでも癒されますように・・・・・・
六篇、いずれも伴侶や兄弟、大切な人がいなくなってしまった主人公たちが描かれている。哀しみを抱えながらも何とか前を向いて歩きだそうとする物語であり、そういう彼らにはかならず出会いと発見があることも描かれてある。 文芸評論家・池上冬樹氏「解説」より
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