麹町の路地裏で居酒屋を営むかたわら、町方の手の及ばぬ悪を討つ影役目を負う八雲兼四郎のもとに、雇い主である升屋九右衛門から仕事の依頼が舞い込んだ。聞くところによれば、九右衛門と知己の材木問屋の娘が何者かにかどわかされて身代金を請求されており、町方の手を借りれば娘の命はないという。卑劣な手口で金子を得ようとする悪漢の手から娘を助け出そうと奮闘する兼四郎なのだが……大人気時代小説シリーズ、待望の第十二弾!