七百石取り旗本の次男、大曽根三樹之助は、大身旗本小笠原監物の嫡男、正親の横暴で許婚を亡くし、剣の修業に励む日々を送っていた。そんな彼に再び持ち込まれた縁談は小笠原家の策謀だった。断ることもできずに出奔した三樹之助は、湯屋へ居候することになる。