単行本『ミワ子の独り言』は、雑誌『TVトピック』で2022年1月~2023年4月に連載されたエッセイとショートショートを、大幅に加筆修正し、2023年7月20日に双又社から発売されました。
その発売日には、著者のミワ子さんが行方不明だということは、まだ報じられていませんでした。
エッセイ 目標は高く実際は中ぐらい
『TVトピック』をお読みの皆様、はじめまして。お笑い芸人のミワ子と申します。
顔と名前ぐらいは知ってもらえているとありがたいのですが、一切知らないという方もきっといらっしゃると思うので、簡単に自己紹介します。
私ミワ子は、2021年のピン芸人の賞レース「P-1グランプリ」で準優勝して、同年の女芸人の賞レース「THE女」で優勝した、今テレビで引っ張りだこというほどではないけど週休二日ぐらいのいい塩梅で仕事が入って、単独ライブのチケットも即日完売ではないけど数日で完売するようになった、今乗りに乗っているというほどではないけど本人的には絶好調のつもりの芸人です。
それにしても、私もこんな連載をもらえる身分になりました。雑誌の連載には昔から憧れていたんです。というのも、私は芸人になる前、ほんの一時期だけ、作家になりたくてちょっとした小説を書いていた時期があったんです。だから連載をもらえたことは、感無量というほどではないけど結構嬉しいです。双又社さんから提示された原稿料も、跳び上がるほどではないけど月二回もらえるなら結構嬉しい金額でした。
思えば私の人生というのは、目標を立てても実現できたことなどほとんどなく、せいぜい目標の半分ぐらいしか達成できない、ということばかりでした。
国立大学を受験したものの、センター試験で自信があった英語で、マークシートを一つずらして書いてしまっていたことに試験終了直前に気付き、慌てて消して書き直したけど間に合わず、その後の科目は戦意を喪失して抜け殻状態だったから当然不合格。大学をあきらめて看護の専門学校に入り、ちゃんと看護師の資格を取って病院で働き出したのに、激務に耐えかねてドロップアウトしてしまい、逃げ道を探した末にお笑い芸人になったような始末です。
その後、どうにかテレビに出られるようになると、一応国家資格を持っているということで、「インテリ芸人」的な扱いで何度かクイズ番組に呼ばれたのですが、歴史とか国語といった文系科目の知識は絶望的でした。なんたって、高校時代に一時的に頭に詰め込んだだけの、そのあと一度も引き出すことのなかった知識です。十年前にタンスにしまってから一度も着ていないTシャツの柄を思い出せないのと同じです。……というたとえが合ってるかどうか自分でも分かりませんが。
一度、歴史の穴埋め問題で、「源□□□」というのが出ました。正解は「源氏物語」で、さすがにそう言われれば超イージー問題だったと分かるのですが、制限時間が迫る状況でパニックになった私の脳からは「源氏物語」は出てこず、源から始まる四文字を全力で考えた結果、出たのは「源泉徴収」でした。「そんなボケはいらないんだよ!」と同じチームの共演者から怒られ、私はボケではなく本気で「源泉徴収」を絞り出したという事実を知られるのが恥ずかしくて、まるで狙ってボケたかのような顔でヘラヘラしました。その結果、そのクイズ番組に呼ばれることは二度となく、私がインテリ芸人として幅を利かせる計画はあっさり頓挫しました。
そもそも、「P-1グランプリ」準優勝、「THE女」優勝を達成して、これで一気に忙しくなるぞ、寝る暇もないぐらいのスケジュールになるぞ、と思っていたら、私のキャラの薄さのせいか、ちゃんと寝る暇があって適度に休める程度のスケジュールに落ち着いているのです。これもまさに、「目標は高くても実現するのは中ぐらい」の典型例でしょう。
だからこそ私は、この連載に全力を注ごうと思います。最終的には書籍化してもらって、芥川賞か直木賞かノーベル文学賞を獲れるように頑張ろうと思います。……ぐらいの目標を立てておけば、なんとか書籍化できるぐらいにはこぎ着けられるでしょうか。
エッセイ 大暗黒期の思い出
連載二回目でこんなことを書くのもなんですが、自殺者数が増加したというニュースを見て、私のようなろくでもない人間でも生きているのだという事実を世にお伝えすべく、人生の大暗黒期のお話をしたいと思います。
私は、病棟看護師を辞めてから、人生に迷いまくった時期がありました。
都内の病院を辞め、それなりにお金は貯まっていたので、とりあえず一人暮らしのアパートで引きこもってみました。実は私は、引きこもり生活に密かに憧れていたのです。何もせず延々と家にいるのは楽しいんじゃないかと想像していたのです。
ところが、実際は大変でした。引きこもって一週間で、腰痛と不眠に悩まされるようになりました。自分が思いのほかアクティブな人間で、家にこもっていると体調がどんどん悪くなるということに気付かされてしまいました。
そんな時にふと、小説を書いてみたくなりました。私は昔から、教科としての国語は嫌いで、「この時の主人公の気持ちを答えよ、なんて野暮なこと言うんじゃないよ」とか「古文と漢文って、もうどこでも使えない言語のセンター試験の配点が、化学一科目と同じって高すぎだろ!」なんて思っていたのですが、読書は好きだったのです。
私は単発の看護師バイトをこなしながら、その傍ら小説を書いてみることにしました。当時、ある文芸誌に、読者からショートショートを募集するコーナーがあって、優秀作が毎月五作掲載されて、掲載された作者は賞金一万円がもらえたのです。それまで小説なんて書いたことはなかったけど、原稿用紙五枚以内のショートショートだったら書ける気がしたし、正直、採用された作品と、試しに書いてみた自分の作品を比べてみて、肩を並べるぐらい、いやもっと面白く書けているのではないかという手応えも感じていた私は、毎月ショートショートの応募を始めました。
すると三ヶ月目で、そのコーナーの「今月の入選者」という欄に名前が載りました。小説を書き始めてわずか三ヶ月で、もう入選のレベルまで達したのです。つまり私には才能があるのだと、すぐに舞い上がりました。それからも毎月応募していると、二、三ヶ月おきに計三回、「今月の入選者」の欄に私の名前が載りました。ただ、それにしては、なかなか私のショートショートが掲載されません。これはどういうことなんだろう、と疑問が湧きました。
たとえばテレビ番組も、放送日よりだいぶ前に収録していると聞くし、このショートショートコーナーもそんな感じなのかな。再来月とか、もっと後とか、他の入選作と作風がかぶってないかとか色々考えて、私の作品を載せるのにふさわしい月に掲載されるのかな。――なんて思っていたのですが、そうこうしているうちに、私が最初に入選してから半年以上が経ってしまいました。
さすがに遅すぎないか。もう私の賞金は三万円貯まっているはずだ。そもそも賞金はどうやってもらえるのだろう。原稿の応募要項に住所・氏名・年齢・ペンネームはあるけど、口座番号などはないから、現金書留とかで送られるのかな――。もろもろ気になった私は、その文芸誌に載っていた編集部の電話番号に電話してみました。そして、「はい、〇〇社文芸編集部です」と電話に出た男性に対して、ショートショートコーナーに三回入選してるのに作品が載らないことや、賞金はいつどのようにもらえるのか、といったことを質問しました。
すると、その男性から、困ったような口調で説明されました。
まず、「今月の入選者」というのは、「掲載には至らなかったけど、掲載候補に選ばれた人」だということ。だから「今月の入選者」には賞金一万円は出ないし、作品も掲載されないということ。――要するに、私はずっと、その月のベスト5に入れたと思っていたのに、私が入っていたのはずっと「6位以下の健闘した人たち」だったのです。
私は電話口で思わず「分かりづら……」とつぶやいてしまいました。人生ドロップアウト中だった当時の私は、そういうことは心の中だけでつぶやくべき、というストッパーが外れていたのです。すると相手の男性は、「そんなこと初めて言われたけどね」と怒ってしまい、私は怖くなって電話を切ってしまいました。それ以来、私は気まずくて、そのショートショートコーナーに応募するのはやめました。私の作家になる夢は「失礼な電話をした結果気まずくなる」という馬鹿みたいな理由で頓挫したのです。
そこで次に考えたのが、お笑い芸人の道でした。小説家同様、私が密かに憧れ続けていた職業です。
とりあえず、当時住んでいたアパートの近所の小さなライブハウスで開かれていた、有名な芸人さんなど一組も出ていない、チケット代五百円のライブを見に行きました。いわゆる地下ライブというやつです。それまでお笑いのネタ番組はよく見ていましたが、ライブを生で見るのは初めてでした。
ライブが始まってみて驚きました。「人を笑わせようと思ってるはずなのに、なぜこんなネタをやってしまうんだろう」と思うような人ばかりが出てきました。素人でも思いつくようなダジャレを連発するだけの芸人、差別用語を連呼して「どうだオレ尖ってるだろ」感を出す芸人、ギター漫談なのにギターも漫談も下手な芸人……。のちに実感するのですが、ド底辺の地下ライブというのは「言語明瞭で、何を言っているか分かる芸人」の方が少ないぐらいなのです。もちろん面白い人もいるにはいるけど、大半が「私が本気を出せば超えられるんじゃないか」と思える人ばかりでした。
そして、そのライブは、ネタ見せと呼ばれる、ライブ主催者によるオーディションに通れば、素人でも出られるということを知り、その日の夜から私はネタ作りに着手し、ネタ見せを受けに行き、翌月のライブから出るようになりました。看護師から見た困った患者さんを、スケッチブックで紙芝居形式で紹介した後、スケッチブックを床に叩きつけて「空気注射してやろうか!」とか「泥水点滴してやろうか!」と叫ぶという、今考えたら放送できるわけがないネタでしたが、地下ライブでは大ウケ。初出場のライブでいきなり優勝し、私の芸人人生は華々しくスタートしたのです。
人生で初めて作ったネタで優勝したということは、私はお笑いの天才だ。そう勘違いした私は、スケッチブックネタがその後どのテレビ局のネタ見せでも落ち続けることや、下積みが長く続いて、当時新人だったバイトの派遣事務所で最終的に古参クラスになることも、まったく想像していませんでした。
――と、ここまで書いてみて思いました。私のあの時期は案外、大暗黒期というほどではなかったのかもしれません。自分の身の程を知ってしまった今より、あの頃の方がむしろ、心の中は野望であふれていて明るかったのかもしれません。
でも、あの頃に戻りたいかと聞かれれば、絶っっっっ対に戻りたくないです。ということは、やっぱり暗黒期なのかな。
エッセイ 三回目にして早速見切りを
「ご理解とご協力をお願いします」っていう言葉、よく使われてますよね。
特に工事の時とかに多いですね。まあ工事といっても、家の近所でやってるような小さい工事だと、「ご迷惑をおかけします」的な、もうちょっと下手に出てる看板が多いですね。でも、高速道路の集中工事とか、線路の掛け替え工事とか、ああいう大規模な工事になると「ご理解とご協力をお願いします」っていう言葉が多く使われるイメージがありますね。
ただ、あれって結局、形式上「お願い」してるだけで、実際は「あなたの意向にかかわらず絶対こうしますよ」っていうことなんですよね。もう事実上の強制なんですよね。「ご理解」しなかった人がいたところで工事は絶対強行するし、嫌がる人がいたところで強制的に「ご協力」させるんですよ。よく考えたら慇懃無礼というか、なんだか夜のお店の黒服感が漂うというか、そんな言葉ですよね。「キャストの女の子の嫌がる行為をしたお客様からは金百万円頂戴します」的な怖さを感じますね。
私に限っては、あんな失礼なお願いだけは人様に対してするものかと、ずっと思って生きてきたんです。
ところで、話は変わるんですけど……。
このたび、私ミワ子は、エッセイで書くことがなくなりました。
いや、厳密には、ないわけではないんです。でも、私はお笑い芸人の中でも、割とネタ志向が強い……なんて言うと聞こえがいいですが、要は友達も少ないし、芸人仲間と飲みに行くようなこともほとんどないし、人付き合いが希薄なこともあり、エピソードトークのストックが少ないんです。そんな数少ないエピソードトークも、テレビ番組でもうあらかた使ってしまったので、エッセイで初出しのエピソードなんてほぼ書けそうになくて、これから先は、テレビ番組で何回か話したようなエピソードを使い回すしかなさそうなんです。
それだとたぶん、読者の方もがっかりですよね。エピソード使い回しエッセイが続けば、きっとこの連載も長続きはせず、半年程度で後任をあてられてしまうことは目に見えています。
でも、私は原稿料は欲しいのです。できるだけ長くもらい続けたいのです。若手芸人界きっての銭ゲバなのです。それに加えて、雑誌連載を持っているというのは、なんだか箔が付いてる感があるのです。この箔を手放したくはないのです。
そこで提案なのですが、ショートショートもありにしてもらえませんか?
私は今まで、何百本とコントを作ってきましたが、舞台で演じるより小説にした方がいいのではないか、というタイプの、まだ人前で発表していない発想のストックが、実はたくさんあります。また、前回のエッセイでも書きましたが、芸人を目指す前にほんの一時期、小説家志望の時期もあり、その頃に書きためたショートショートも結構あるのです。もちろん、まだ何者でもない時期に書いた素人レベルのショートショートなので、あれをそのまま載せてしまうわけにはいきませんが、今の私が改めて手直しすれば、ミワ子の作品としてちゃんと世に出せる程度にはなるはずです。
というわけで、この連載、次回からショートショートも書かせていただきます。エッセイにするかショートショートにするかは、その時に書きやすい方、思いついた方を書くという形になると思います。
これまでエッセイを楽しみにしてくださっていた方には申し訳ありませんが、どうか、ご理解とご協力をお願いします。
ショートショート 家族の一大事!
もしもし母さん、俺だよ。……うん、そう、タクヤ。今日ケータイを買い換えてさ、番号が変わったんだ。新しい番号言うからメモして。080……。
ん? そうなんだ、ちょっと風邪気味なんだ。げほっげほっ。今日仕事で電話した時も、声がいつもと違うって言われたよ。……うん、母さんも風邪には気を付けて。番号変わったから、前の番号にかけてもつながらないからね。じゃあまたね。おやすみ~。
もしもしタクヤだけど……ぐすん。母さん、落ち着いて聞いて……ぐすん。実は俺、人妻と不倫して、相手を妊娠させちゃったんだ……。
うわああん、ごめんよ母さん。俺は馬鹿な息子だよ、うわああん……。それで、相手の旦那が怒っちゃって、示談金が五百万円必要なんだ、ぐすん。母さんだけが頼りなんだ。なんとか今日中に振り込んでもらえないかな……。
えっ、振り込め詐欺じゃないかって? どういうことだよ……。ああ、テレビでね、こういう詐欺の特集を見たと……。
素晴らしい、お見事です小沢様! そうなんです、最近こういう手口の詐欺が頻発してるんです。三日前、息子さんを名乗る男から、携帯電話の番号が変わったと電話があったでしょう……そう、あれも私からの電話だったんです! 自己紹介が遅れました。私「全日本防犯協会」の鈴木と申します。ただいま全国の皆様に、無作為にこういった電話をかけまして、引っかかりそうになった方がいたら、こちらの素性をご説明して「最近こういう詐欺が流行ってますから、もし次に本物の詐欺の電話がかかってきても引っかからないでくださいね」と注意を促すキャンペーンを行ってるんです。
しかし小沢様、あなたは見事でした。少しも引っかかる素振りを見せなかった……え、本当はちょっと動揺しておられたんですか? いや、無理もございません。日頃どんなに警戒していても、実際にこんな電話がかかってきたら動揺してしまうものです。
それでは、今後とも詐欺と風邪にはお気を付けくださいませ。失礼いたします……。
もしもし、小沢様のお宅でしょうか。私、先日お電話さしあげた、全日本防犯協会の鈴木でございます……あ、覚えていただけましたか。ありがとうございます。
実は本日、小沢様に耳寄りな話をお持ちしました。このほど、われわれ全日本防犯協会が、三年かけてNASAと共同開発した、絶対に振り込め詐欺の電話を見破る機械「ヒッカカラーンZ」が完成したんです。小沢様は先日、私からの詐欺を模した電話に対して、少し動揺なさったとおっしゃいましたよね。もし今後も詐欺の電話がかかってきて、そういった動揺が蓄積されますと、心臓の大きな負担にもなりかねません。
そこで、この「ヒッカカラーンZ」を電話機につなげば、いかに巧妙な詐欺の電話がかかってきても、声紋を解析して瞬時に詐欺だと見破り、電話を切ってくれるんです。こちら通常なら八十万円のところ、小沢様でしたら特別に五十万円でお求めいただけるのですが……えっ、詐欺師は私の方じゃないかって?
はあ……なるほど。そもそも全日本防犯協会なんて団体は存在しないと……。
もしもし小沢さん、お電話代わりました。私、アナウンサーの靄根と申します……。はい、そうです。「モヤネ屋」の靄根です~。
小沢さん、おめでとうございます! 百万円獲得です!
聞こえますか、このスタジオの大歓声。実は今、新番組『家族の一大事!』の収録中なんですよ。この番組は、家族に一大事が降りかかった時に無事に切り抜けられるのかというのを、ドッキリで検証するんですが、今回あなたの息子のタクヤさんが応募してくれまして、お母さんが度重なる詐欺の電話を全て撃退したら、百万円もらえるという企画だったんですよ。で、五人の挑戦者の中で、全部クリアしたのは小沢さんだけだったんです。いや~お見事! それじゃ、息子さんに代わりますね……。
もしもし、母さんありがとう! 母さんのおかげで百万円獲れたよ! 一緒に旅行でも行こう! うん、ハワイでもどこでも行けるよ! いや~本当にありがとう……。
どうもお母さん、また靄根です~。それじゃ、これからも息子さんと仲良くなさってください。旅行も楽しんでくださいね。それじゃお元気で。はい失礼します~。
もしもし、先ほどはありがとうございました。私、『家族の一大事!』のディレクターの高橋と申します。小沢さん、改めまして百万円獲得おめでとうございます。いや~、この番組、今日が初回の収録だったんですけど、小沢さん親子のおかげで幸先のいいスタートになりそうです。……ええ、放送日は来月になるんですけど、日付が正式に決まったら、またご連絡しますね。
それでですね、もしよろしければ、すぐに賞金の振り込みの手続きをさせてもらいたいんですけど、小沢さん、スマホや携帯電話はお持ちですか?……ああ、よかった。それじゃ、そのスマホと銀行のカードを持って、お近くの銀行の、できれば無人ATMに行ってもらえますかね?
お手数おかけして申し訳ないんですけど、ATMに着いたら折り返し電話をください。そこで、私の指示に従ってATMの画面を操作してもらえれば、小沢さんの口座に百万円が振り込まれますので……。
「逆転ミワ子」は全4回で連日公開予定