2月27日放送のTBS系「日曜日の初耳学」で林修氏がいま会いたい人にインタビューする企画「インタビュアー林修」に登場した作家の伊集院静氏。「大人の生き方、考え方」を語り大きな話題になっているが、そんな伊集院氏の「人を惹きつける言葉」が詰まったのが今年1月に発売されたばかりの『一度きりの人生だから 大人の男の遊び方2』だ。本書の一部を抜粋して、テレビでの発言とも関連する「言葉」をご紹介していこう。
カリスマ予備校講師にして、今やテレビで見ない日はない「今でしょ!」でお馴染みの林修氏。そんな林氏がTBS系「日曜日の初耳学」のなかで「今一番会ってみたい人」としてインタビューに向かったのが、直木賞作家の伊集院静氏だった。
伊集院氏はインタビューを通して「孤独が人を成長させる」「苦労すれば、苦労した人の気持ちがわかる」「逃げる事は恥ずかしい事じゃない」などと語り、Sexy Zone中島健人や藤本美貴を始めスタジオ出演していたタレントたちも、深く首肯した。
そんな伊集院氏の言葉をもっと知りたいと思った人が多かったのだろう。放送直後からネット書店では伊集院氏の著書の売れ行きが急上昇。最新小説である『ミチクサ先生』はもちろん、「大人の流儀」シリーズ、そして、この1月に発売されたばかりの文庫エッセイ『一度きりの人生だから 大人の男の遊び方2』も急激な右肩上がりの売れ行きを示している。
特に『一度きりの人生だから』には、テレビでも語っていた「身だしなみで必要なのは、体調」という言葉にも通じる、「大人の男のお洒落」と題した伊集院氏が考える「身だしなみの流儀」が語られている。それは、心構えはもちろん、スーツやシャツの選び方、そして足元、つまり靴はいいものを選ぶべき、というのが実践的に綴られているのだ。
また、番組では松井秀喜氏やビートたけし氏との交友についても「距離感が大切」と伊集院氏は語っていたが、本書では、その「距離感」を大切にして、深いところで交流していた例として故・高倉健氏との文通のエピソードなどが収められている。
林修氏がもっとも共感したという「孤独が人を成長させる」という伊集院氏の考え方も、本書では「旅に出て、自分のことを誰も知らない土地に行って孤独になれば、自分はどこの何者でもないことを知ることができる」という言葉とともに、その理由が語られている。
たとえば、会社や組織で出世した人が、定年を迎え、第二の人生を出発しようとしたときに、上手くいかないケースが多い。それは「自分はこれほどまでの人物なのだ」という思いが知らず知らずのうちに意識のなかに入っていて、邪魔をしてしまうからだ。そういう時にも、自分のことを誰も知らない土地で孤独を味わい「自分はどこの何者でもない」ことを知るのが有効だと伊集院氏はいう。それは、若い人の場合、より有効で、伊集院氏は若者に会うと、必ず「まず旅に出なさい」と助言するというのだ。そして、本書では、その旅の準備から、心構えまで説いてくれる。
以上のように、老いも若きも、男も女も、その発言に深く頷き、いま一度、自らの行いや考え方を問い直させてくれる伊集院静氏の言葉。『一度きりの人生だから』には、そんな氏が語り尽くした「悔いなく生きるための考え方」が詰まっている。