2010年9月に第1巻が発売されるや、またたく間に人気となった「浪人若さま 新見左近」シリーズ。剣戟、恋、人情、そして勧善懲悪。時代小説の醍醐味がたっぷりと詰まった、全14巻からなる伝説の王道シリーズが、決定版として、ここに参上!

 

「生類憐みの令を発布した徳川幕府第5代将軍は徳川綱吉。では令を廃止した第6代将軍は?」

 この質問の答えがわかる方は、ほとんどいないのではないでしょうか? 正解は「徳川家宣いえのぶ」。将軍就任は歴代最高齢の48歳で、在位はわずか3年あまりのため、ほとんど知名度がなく、良くも悪くも有名な先代綱吉や、『暴れん坊将軍』として誰もが知っている2代後の吉宗あたりと比べると、地味な印象は拭えません。

 しかしながらこの家宣、真面目で慈悲深い人柄から、隠れた名将軍として知られています。天下の悪法として評判が悪かった生類憐みの令を、将軍就任とともに廃止し、儒者の新井白石を招聘し幕政に参加させ、のちに「正徳の治」と呼ばれる善政を敷いたため、短い治世ながらも、その手腕は高く評価されております。

 そして本シリーズの主人公「新見左近」とは、家宣の幼い頃の名前です。第4代将軍徳川家綱の弟で、甲府藩主徳川綱重の子として生まれながらも、綱重が正室を娶る前の誕生であったため、家老の新見正信の子として育てられるという、のちに将軍になる人物としては大変変わった出自の持ち主である家宣。その彼が、浪人新見左近を名乗り、市井の悪から幕閣に渦巻く巨悪まで、将軍家に伝わる秘剣、葵一刀流で成敗していきます。

 束縛を嫌い、自由を謳歌する浪人新見左近が、いかにして将軍への道を歩んでいくのか? 剣戟、恋、人情、勧善懲悪はもちろんのこと、史実をもとにした大事件や権謀術数の数々が、軽快な筆致で綴られる「浪人若さま 新見左近」。書き下ろし時代小説の醍醐味がたっぷりと味わえる伝説の王道シリーズを、この機会にぜひご堪能ください。

 

「浪人若さま 新見左近」シリーズ特設サイト
https://www.futabasha.co.jp/introduction/niimi_sakon/