小説
隅田川心中
あらすじ
64歳の大隅一郎は独り暮らし。ある日、行きつけの喫茶店でアルバイトをしている咲子に「父親の借金返済のために愛人にしてください」と言われて承諾する。32歳の咲子と同衾を果たした末に、「子供を産みたい」と懇願され数十年ぶりに燃えたぎる。咲子の体に溺れた一郎は結婚を決意するが、彼女の父親の借金問題に悪い輩が絡んで貯蓄はみるみる溶け、一気に奈落の底へと堕ちていく。愚かな男の性を大藪春彦賞作家が生々しく、はかなく描いた傑作性愛小説。燃え上がる冒頭をお楽しみ下さい。
『隅田川心中』試し読み