試し読み
エッセイ・コラム

ひそかに胸にやどる悔いあり

上原隆[著]
ひそかに胸にやどる悔いあり

好きで堪らない彼女に別れを告げてしまった男性書店員の「未練」。ギャンブルですべてを失い“看板”として道端に立つ男のささやかな見栄「街のサンドイッチマン」。妻が産んだのは他人の子。それでも父親になりたかった夫の告白「ああ、なんてみじめな」。留学の二日前に愛娘を殺害された両親が語る在りし日の姿「娘は二十一のまま」。消えぬ後悔を胸に、それでも人は今を生きている。市井の人々の話に耳を傾け、リアルな姿を書き続けた著者の傑作ノンフィクション・コラム19編。(『こころ傷んでたえがたき日に』を改題して文庫化)

『ひそかに胸にやどる悔いあり』試し読み
娘は二十一のまま
ああ、なんてみじめな
僕のお守り
ひそかに胸にやどる悔いあり
上原隆[著]
判型:文庫判
定価:737円(税込)
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(『こころ傷んでたえがたき日に』を改題して文庫化)
上原隆(ウエハラタカシ)
1949年、神奈川県横浜市生まれ。立命館大学文学部哲学科卒。エッセイスト、コラムニスト。記録映画制作会社勤務のかたわら、雑誌「思想の科学」の編集委員として執筆活動を始める。その後、市井の人々を丹念に取材し、生き方をつづったノンフィクション・コラム『友がみな我よりえらく見える日は』がベストセラーとなる。他の著書に思想エッセイ『「普通の人」の哲学』『上野千鶴子なんかこわくない』『君たちはどう生きるかの哲学』、ノンフィクション・コラム『晴れた日にかなしみの一つ』『喜びは悲しみのあとに』『雨にぬれても』『胸の中にて鳴る音あり』『にじんだ星をかぞえて』『こころが折れそうになったとき』などがある。