兄・景一郎といつかは斬り合わなければならない――そう言われて育った日向森之助は15歳に成長していた。居候する薬種問屋の使いとして糸魚川を訪れた森之助は、そこでお鉄という海女に出会う。お鉄たちと過ごすうちに、森之助の前に危険な影が……。それは、これまでで最強の敵・柳生流であった。闘うごとに成長し続ける森之助は合流した兄・景一郎、お鉄、そして同世代の仲間たちとともに血飛沫が舞う壮絶な闘いに身を投じていく。北方謙三伝説の剣豪小説シリーズ第4弾。