女性を騙し、沈める“悪所”で出会った2人の若者の人生を通して「真の悪」が描かれる社会派小説『半暮刻』、発売2カ月でシリーズ15万部突破! 老夫婦が辿る道のりを描く家族小説『じい散歩 妻の反乱』、無人島でのバトルロワイヤルが幕を開ける『無人島ロワイヤル』などなど、今月の双葉社新刊もドキドキワクワクが止まらない!

 読書の秋、今まで以上にたくさんの本に触れて過ごすのはいかが?

 

 

現代日本に跋扈する「真の悪」を描く社会派小説!

半暮刻

半暮刻
月村了衛

児童養護施設で育った元不良の翔太は先輩の誘いで「カタラ」という会員制バーの従業員になる。ここは言葉巧みに女性を騙し惚れさせ、金を使わせて借金まみれにしたのち、風俗に落とすことが目的の半グレが経営する店だった。〈マニュアル〉に沿って女たちを騙していく翔太に有名私大に通いながら〈学び〉のためにカタラで働く海斗が声をかける。「俺たち一緒にやらないか……」。二人の若者を通した日本社会の歪み、そして「本当の悪とは」を描く社会派小説。

 

 

多くのメディアで紹介されて注目を浴びた『じい散歩』、待望の続編!​

『じい散歩 妻の反乱』藤野千夜

じい散歩 妻の反乱
藤野千夜

前作からさらに歳を重ね、夫婦あわせて180歳を超えた新平と英子。3人の独身中年息子たちは相変わらずで、自宅介護が必要になった母親の面倒を見る気配もない。まさに老老介護が始まった新平の束の間の息抜きは、趣味の散歩や食べ歩きだが、留守番している妻への土産も忘れない。果たして、老夫婦の道のりは? そして、妻の「反乱」とは? 身につまされながらもどこか可笑しい、明石家のその後を描いた家族小説。

 

 

賞金10億円をめぐる壮絶サバイバルバトル!

無人島ロワイヤル

無人島ロワイヤル
秋吉理香子

「無人島に3つ持っていくとしたら?」初夏の夜、この定番の他愛ない話題で盛り上がっていたバーの常連たちは、マスターの告げた一言でさらに沸く。「俺、無人島、持ってるよ」。かくして、彼らは3つのアイテムのみを手に楽園を目指すことに。だが、一夜明けると、マスターとヨットは消え、代わりにビデオメッセージが残っていた。「これからバトルロワイヤルをやってもらいます」。初めは絶望にかられながらも協力し合っていた常連たちだが、「10億円の賞金」をめぐって互いに疑心暗鬼となり、ついに最初の脱落者がでる──。

 

 

100年間の時代背景を料理と絡めて描く連作ミステリー

100年のレシピ

100年のレシピ
友井羊

終戦後、荒廃から立ち直る日本において、「食」から家庭を応援する女性がいた。料理研究家である彼女は、様々なレシピを発表し、日本中の女性から支持を集める。そんな「伝説の料理研究家」が現代まで歩んできた道を、それぞれの時代の社会背景とつくられてきた料理を絡めて描く連作ミステリー。「2020年のポテトサラダ」「2004年の料理教室」「1985年のフランス家庭料理」「1965年の朝の食卓」「1947年のじゃがいもサラダ」の5編からなる。

 

 

誰も教えてくれなかった、結婚後に虚しさや不安を抱えるなんて──。

夫よ、死んでくれないか

夫よ、死んでくれないか
丸山正樹

大学の同級生だった麻矢、璃子、友梨香。卒業後疎遠だった3人は、三十代半ばで璃子の離婚騒動をきっかけに再び集まるようになる。既婚、バツイチ、子持ちと立場は異なるが夫への不満という共通点のある彼女たちの集まりの最後は、大抵この言葉で締めくくられる。「うちの夫、死んでくれないかしら」。そんなある日、麻矢の夫が何の前触れもなく姿を消してしまう。会社も無断欠勤しているらしい。夫は一体どこへ、本当に死んでしまったのだろうか──。誰もが、結婚前にはいいことしか言わない。どうして教えてくれなかったのだろう、結婚した後に、激しい孤独や、生活の虚しさや、将来への不安を抱えることなんて。結婚の本質と危うさに迫る、ノンストップ・ミステリ。

 

 

アントニオ猪木一周忌に放つ、新たな“思想書”

教養としてのアントニオ猪木
プチ鹿島

2022年、この世を去った稀代のプロレスラー・アントニオ猪木。猪木は常に「対世間」を掲げ、プロレスというジャンルに市民権を与えようと、文字通り、格闘してきた。他のプロスポーツのように一般紙が報道することもなく、アマスポーツのように五輪があるわけでもない。格闘技でもスポーツでもないこのプロレスの魅力を世間に訴えてきたその言動は、一介のスポーツ選手のそれとは違う、謎をまとっていた。我々、プロレスファンは、猪木から何を学び取ってきたのか。ベストセラー『教養としてのプロレス』に続く、新たなる“思想書”。