今、全国の書店で『迷犬マジック』という文庫本が秘かに注目を集めている。マジックという名の謎の黒柴犬が引き起こす奇跡の物語は、9月に発売されるや、すぐに売り切れ店が続出。お疲れモードの人に是非おすすめしたい前向きになれる1冊だ。

 

 作品は「春」「夏」「秋」「冬」の四つの章からなる連作短編集で、それぞれの章に〔ちょっと残念な人〕が登場する。家族から認知症を疑われているおじいちゃん、人通りの少ない夜の商店街で路上ライブをする若者、理髪店を営むメタボな独身中年男、会社を辞めて独り暮らしを始めたアラサー女子――。そんな四人の冴えない日常に、首輪のついた謎の黒柴犬マジックがひょっこり迷い込んでくる。飼い主が見つからないせいで、仕方なくマジックを預かることにした四人だったが、少しずつその生活や心持ちに変化が生じていく。そしてやがて訪れる小さな奇跡をユーモラスに描いた、まさに“ワン”ダフル・ストーリーだ。

 

五人目の〔ちょっと残念な人〕は担当編集者。この作品きっかけで51歳のオジサンにもダイエット成功の奇跡が!

 

 謎の黒柴犬マジックは物語の中で様々な奇跡を呼び寄せるが、実は現実でもささやかな奇跡が起きていた。なんとこの作品を読んだ担当編集者(51歳)が生まれて初めてダイエットを敢行。なんと2ケ月で15キロの減量(85.4キロ→69.8キロ)に成功したというのだ。どうやって痩せたかは、『迷犬マジック』の「秋」の章を読んでいただきたい。ほぼ似たようなメニューをこなしたというから、その気になれば、あなたにもダイエット成功の奇跡が訪れるかもしれない。

 

ロングセラー小説『ひかりの魔女』の読者も納得のホッコリ感。

 

 この本の著者は、優しさと希望に満ちたハートウォーミングな作風が持ち味の山本甲士。著者の代表作といえば、累計20万部突破の『ひかりの魔女』シリーズになるだろう。

 謎のお婆ちゃん・真崎ひかりさんが作る美味しい手料理と〔優しい嘘〕の力が、周囲にささやかな奇跡をもたらす物語で、「私もひかりお婆ちゃんのような人になりたい!」と公言する熱烈なファンが多数いる人気シリーズだ。そんな〔ひかりさんファン〕からも「胸がホッコリした」「読後感が良い」「温かい気持ちになった」と絶賛されている『迷犬マジック』。そのうえ犬好きやペットを飼っている読者の心をも鷲づかみにし、早くも続編を熱望する声が上がっている。