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小説

今日の花を摘む

田中兆子[著]
今日の花を摘む
あらすじ

私の趣味は、男性との肉体を伴ったかりそめの恋。それを、ひそかに「花摘み」と呼んでいる──。出版社に勤めるかたわら茶道を嗜む愉里子は、一見地味な51歳の独身女性。だが人生を折り返した今、「今日が一番若い」と日々を謳歌するように花摘みを愉しんでいた。そんな愉里子の前に初めて、恋の終わりを怖れさせる男が現れた。茶の湯の粋人、70歳の万江島だ。だが彼には、ある秘密があった……。自分の心と身体を偽らない女たちの姿と、その連帯を描く。赤裸々にして切実な、セクシュアリティをめぐる物語。

今日の花を摘む
田中兆子[著]
判型:四六判
定価:2,090円(税込)
田中兆子(たなか・ちょうこ)
1964年富山県生まれ。2011年、短編「べしみ」で第10回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞する。14年、同作を含む連作短編集『甘いお菓子は食べません』でデビュー。18年『徴産制』で第18回Sense of Gender賞大賞、23年『今日の花を摘む』で第3回本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞を受賞。主な著書に『私のことならほっといて』『あとを継ぐひと』などがある。