試し読み
小説
清浄島
あらすじ

風が強く吹き付ける日本海最北の離島、礼文島。昭和29年初夏、動物学者である土橋義明は単身、この島に派遣される。 島の出身者に相次いで発症した“風土病”を解明するためだった。それは寄生虫 「エキノコックス」が引き起こす、人間の腹が膨れて死に至る感染症。島民を救うべく土橋は奮闘を続けるが、島外への流行拡大を防ぐため、ある重く苦しい決断を迫られ……・。命と向き合う研究者の長い闘いを描いた本作。ここでは、エキノコックスが島に流入するきっかけを綴る物語の序章を公開します。

『清浄島』試し読み
清浄島(1/3)
清浄島
河﨑秋子[著]
判型:文庫判
定価:1,045円(税込)
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河﨑秋子(かわさき・あきこ)
1979年北海道別海町生まれ。 大学卒業後、実家の牧場で酪農従業員として働きながら、羊飼いとなる。その傍らで執筆活動を始め、2012年「東陬遺事」 で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。14年 『颶風の王』で三浦綾子文学賞、 同作で15年度JRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞、20年 『土に贖う』 で第39回新田次郎文学賞を受賞。24年『ともぐい』で第170 回直木三十五賞を受賞。現在は専業作家。