子どもと一緒に参加したかるた教室で、希海は初めてかるたの札を払う。空を切り裂くように飛んだ札。指先に満ちた新鮮なエネルギー……。その記憶が強く刻まれた希海だが、「もうすぐ40歳になる」「暗記力に自信がない」「子どもがいるから」など、気づけば自分に言い訳ばかりして、競技かるたを始めることにためらっていた。かたや夫は、仕事と趣味の優先順位をつけようとするのだった。果たして希海が選びとった道とは? 今、自分の〈好き〉を手放そうとしている人すべてに捧げる物語。
今を春べと

定価:1,870円(税込)
判型:四六判
ISBN:978-4-575-24849-4
発売日:2025年10月22日

妻だから。母親だから。
自分の〈好き〉、手放しますか?
札を払う一瞬に、千年の言葉と、日々の怒りと、やまない泣き声と、自分を取り戻す祈りがぜんぶ込められる。
かるたを知る人なら、この物語に胸が騒ぐ。
かるたを知らない人なら、ここから始めたくなる。
『ちはやふる』末次由紀さん推薦!

子どもと一緒に参加したかるた教室で、希海は初めてかるたの札を払う。
空を切り裂くように飛んだ札。指先に満ちた新鮮なエネルギー。
もうすぐ四十歳になる。暗記力に自信がない。子どもがいるから――。気づけば言い訳ばかりして、競技かるたを始めることにためらっている自分がいる。夫は、仕事と趣味の優先順位をつけようとする。
けれど――。
「いまをはるべと さくやこのはな」
今が、今こそが自分が咲く瞬間。私が〈いま〉を〈はる〉にするのだ。

(イマヲハルベト)
関連作品