お勝たちの二軒隣に住まう鳶の岩造とお富の夫婦。喧嘩をしつつも仲睦まじい二人だが、このところお富の調子が悪いという。お啓たちが心配するなか、ついには医者の屋敷に運び込まれたお富だが、具合が悪いのは病ではなく子を宿していたためだった。朗報に長屋の皆は喜ぶが、当のお富は、産むことに迷いを見せて──。くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。時代劇の超大物脚本家が贈る、大人気シリーズ第十一弾!