夏休み、小学三年生の瑛介は血小板数値の経過観察で一ヶ月以上、入院している。退屈な病院での日々。そんなある日やって来たのが「俺、チビだけど、九歳」と陽気に挨拶する同学年の壮太だった。低身長の検査入院らしい。たちまち打ち解けた二人。でも一緒にいられるのは、あと少ししかない――表題作「夏の体温」。大学生男女の新たな歩みを描く「魅惑の極悪人ファイル」と掌編「花曇りの向こう」の全三編。ビターな想いをじんわりと温かく包みこむ、瀬尾ワールドの真骨頂! 文庫版特典として、巻末にエッセイを収録。
夏の体温

定価:693円(税込)
判型:文庫判
ISBN:978-4-575-52851-0
発売日:2025年6月11日


少ししか一緒にいられない二人。
あまりにも短い、ぼくらの夏休みが始まる。
少年たちのみずみずしい友情に、感動の声!
文庫版に初収録!
特別エッセイ「その差、二十」


読者からのメッセージ、続々!
●どんな人柄からもこぼれ出る心の優しさが、本当に温かくて大好きです。(15歳女性)
●私も友達や大切な人が落ち込んだら、壮太のような明るさでいやなことを吹き飛ばしてあげたいと思います。(26歳女性)
●限られた空間だからこそ見えてくる世界。どうしようもない感情。一つ一つを丁寧に掬いあげて鮮やかな色に染め上げているよう。(35歳女性)
●二人の少年のバイタリティから力をもらった気がします。「もうちょい、がんばってみるか」という気持ちになれました。(57歳男性)
●読み終わった後、爽やかな風が吹きました。出逢いは人生の宝物ですね。(67歳女性)

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