地方都市・天島市で造船業を営んできた大家である扇谷家。ある日、予言の能力を駆使して一族を繁栄させたおばあさまの手帳が見つかった。手帳によると、どうやらおばあさまは100歳となる今年逝去するらしい。一族が集まり、家じまいをすることになるが、本家の娘・立夏には気になることがあった。それは認知症になって以来、おばあさまが繰り返す「桜の木の下に死体を埋めた」という台詞。「言葉なき者の声を聞く超能力」を持つ立夏だけは、それが事実だと知っているのだった……。