もう一度だけ無茶な恋がしたくなるシニア世代のための暴走恋愛小説!
浅草で悠々自適に働く64歳の大隅一郎(独身)。ある日、馴染みの喫茶店店主・小川に呼び出された。アルバイトの咲子の相談に乗ってくれと持ちかけられ、本人に会うと、「父親の借金返済のために愛人にしてほしい」と言われて心を躍らせる。悩みのタネは愚息が役に立つかどうかだったが、そこはドーピングでうまく解決。同衾を果たした末に、「あなたの子供を産みたいの」といきなり懇願され、すっかりその気になる一郎。いつしか泥沼に落ちていく二人の恋路だった。
咲子とオヤジの縁を切ろうとして怪しい輩から法外な金をせびられるが、一郎の頭の中はピンク一色。一郎の貯蓄も心許なくなってきて、いよいよ破滅へと向かう。

どうしようもなく馬鹿で、とても肯定できない――
それでも一郎をどうしてか羨ましく思ってしまう。大藪春彦賞作家の鬼才が描くシニア世代の暴走恋愛小説!