元警察庁キャリアの来栖が設立した組織「秀和」。表向きはコンサルタント会社だが、裏では政官財の不祥事の後始末を請け負う。9月のある日、新宿駅東口で爆破事件が発生した。無差別殺人かテロか。警視庁捜査一課と公安の特別合同捜査本部が設けられるが、捜査の主導権争いと相次ぐ極秘情報のリークで、本部は機能不全に陥っていた。来栖は、古巣である警察庁から呼び出され、警察とは違うやり方で犯人を探るように命じられる。「秀和」のメンバーで、元捜査一課の刑事だった滝沢は「スサノウ」と呼ばれる謎の組織を嗅ぎつけるが……。
法外捜査
定価:770円(税込)
判型:文庫判
ISBN:978-4-575-52748-3
発売日:2024年4月10日
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法では守れない正義がある
元警察庁キャリアによって秘密裏に設立された組織「秀和」
型破りな調査員たちが停滞した捜査とこの国に風穴をぶち開ける!
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右か、左か。左の光が走った。身体を反らしてよけた。すかさず右手のナイフが突き出されてきた。身体を開いてナイフをよけた。次は左手か。思った時、腹に激しい衝撃が来た。蹴りが入った。息が止まり前かがみになった。何とか倒れずに踏ん張った。顎に衝撃がきた。今度は耐えられなかった。気が付くと地面に尻餅をついていた。
「おっさん、けっこうやるね」
橋爪が嬉しそうに言った。左手のナイフをくるくると回してたたむと、腰のポケットにしまった。バタフライナイフだ。
(本文より)
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