「うんと気の強い女中が欲しい」そんな注文が入り咲は新しい奉公先のある上野池之端を訪れる。不忍池近くのあばら家で待っていたのは、なんと母が幼い頃の咲を連れて奉公していた大店の元お嬢様、志摩だった。さらに妙な色気のある女、香も加わり、志摩は男女が人目を忍んで逢瀬を楽しむ〝出合茶屋〟を開くという。やがて、三人の店はよそにない趣向がお江戸で大評判に。だが、次々と厄介事が舞い込んで……?