何にもすることがない休日の午後。テスト勉強が手につかなかった平日の深夜。庭先で洗濯モノを干す平日の昼間。疲れて乗り込んだ深夜のタクシー。そこで小さく流れていたのは、いつもラジオだった。内容なんてよく覚えてない。面白かったか定かじゃない。でも、それを聞いたときに、何をしてたかは、覚えてる――。落語界を牽引し、エッセイのジャンルも勢い余って引っ張る一之輔師匠が回想する「あの頃と、あの番組」。