昭和30年代の名古屋の繁華街・大須。何でもありのごった煮の街で終戦直後に生まれた碧は母親と二人、つましくも幸せな日々を送っている。将来、映画監督になることを夢見て、アルバイト代で映画館に通う碧。そんなある日、一人の男が母娘の前に現れる――。街を行き交う市電の優しい揺れに乗せて描く、少女のゆるやかな成長物語。
花電車の街で
定価:770円(税込)
判型:文庫判
ISBN:978-4-575-52496-3
発売日:2021年9月9日