強欲な庄屋らに騙されすべてを失った八百助は、山の神へ捻じ込みにいき、職務怠慢をなじった挙げ句、祠を燃やすと恫喝。恐れおののいた山の神より”思うことは何でもかなう力”を手に入れる。自らにかけた忍術で目も覚めるような美丈夫に変身した八百助は、色と欲に目が眩んだ世間に痛快な復讐劇を仕掛けていく。巧みな筋運びと驚愕のオチはさすが周五郎!の表題作を含む傑作短篇集。