はじめに

 

 初めましての方、そして日頃からPodcast『宮司愛海のすみません、今まで黙ってたんですけど…』(通称:すみ黙)を聴いてくださっているリスナーの皆さま、本を手に取っていただき、ありがとうございます。この本はいわゆる「番組本」というもので、これまでに配信されたエピソードの書き起こしを編集したものや、書き下ろしのエッセイ、撮り下ろしの写真、そして阿川佐和子さんとの特別対談などを収録しています。

 この『すみ黙』(すみだま、と読みます)は、2023年の11月にスタートしたPodcastです。ありがたいことに開始から約2年8ヶ月が経ちました(2026年7月現在)。

 

 思い起こせば、友人の力を借りながら企画書を書き、そのときまったく面識のなかった石井さん(石井玄さん/『すみ黙』ディレクター)にインスタグラムを通じてそれを送りつけた(笑)のが2022年の12月。自分の思いをどう形にすればいいのか見当もつかないところから、石井さんはもちろん、会社の上司やいろんな人の力を借り、一年かけて実現に至ったのがとても懐かしいです。そのときは、こうして番組に関する本を出版できるなんて思いもしませんでした。……というのは嘘です、実はちょっとだけ夢見ていました。ですので、こうして思いを本という形にして世の中へ送り出せること、大変幸せに感じています。

 

 書き起こし部分にも記載があるのですが、このPodcastを始めた理由は、アナウンサーとしてキャリアを重ねていく中で、どんどん本当の思いを言語化することが難しくなってきたように感じ、自分の言葉で話す場所を作ってみたいと思ったからです。もちろん、この仕事はとても好きですし、これからもずっと続けていきたいと考えています。しかし、さまざまな視点を踏まえて常にバランスを取りながら仕事をしていくだけでなく、同時に、一見大したことのない、だけどかけがえのない日常を自分の言葉で切り取って、自由に表現してみることもライフワークにしていきたいとも思っています。そういった点で『すみ黙』は、〝訓練〟の場であり、〝日記帳〟でもあり、そして、〝いつでも帰れる場所〟でもあります。

 

 出版にあたり過去エピソードを聴き返す時間は、あまりにあけすけで時々浅はかな自分と向き合わなければならない時間でもありました。恥ずかしく、もう嫌だと何度も思いつつ、そのときの自分が確かに感じていたことをなかったことにするのもまた違うかもしれないと思いつつ……その繰り返しでした。この本は、よく言えば、その時々の自分なりの言葉で残してきた「軌跡」であり、悪く言えば、自ら進んで掘り起こした「不恰好な記録」でもあります。

 

 いつも番組を聴いてくださっている皆さまにとっては「ああ、こんな話もあったな」と笑いながら振り返る一冊に、そして初めて出会ってくださった方にとっては、「こんな変な人がいるんだ」と気楽にページをめくっていただける一冊になれば、とても嬉しいです。

 

 

はじめまして、宮司愛海です #1 2023年11月2日配信

 

 はじめまして。宮司愛海と申します。フジテレビで、アナウンサーをやっております。今、初めてラジオのブースで、自分一人でしゃべってみているわけですが、マイクの前に立つ緊張感を久しぶりに味わっています。

 毎日の生放送では、こうやって自分の考えていることや気持ちをフリートークでしゃべることがあまりないので、「自分でやってみたい」って思ってPodcastを始めたんですが、実際にやってみるとなると、こんなに緊張するものなんだなって、今、改めて思ってます。

 私、今日を迎えるまでも、すっごくソワソワしてて。生放送が終わってから、今スタジオで収録しているんですけど、生放送中も「何、しゃべろっかな?」みたいな。いや、集中してましたよ(笑)! ちゃんと生放送に集中してましたけど、どうしよう、ちゃんとしゃべれるかな? 導入、何から話そうかな? 何の話をすれば面白いかな? とかいろいろ、考えちゃって。いやぁ、今ちゃんとしゃべれているかな? みたいな不安でいっぱいです。

 今、自分の目の前にマイクがあるじゃないですか。普段マイクの前でしゃべるって意外になくて。生放送って基本的にピンマイクなんですよ。ハンドマイクを持つことはあっても、マイクの前に立ってしゃべっている、みたいなことはあんまりないので、このマイクの存在感がすごい。いやぁ、緊張するなと思って話しています。

 簡単な自己紹介。平成3年、7月29日生まれです。出身は福岡県で、福岡市内なんですけど、市内の中でも山の方の出身です。この業界に入ってから、いろんな福岡出身の芸人さんとかタレントの方とお会いする機会があって、「どこ出身なの?」って聞いていただくことが多いんですけど、そのたびに「どこどこです」って答えると「ほおお」「そんなところから来たの?」みたいなリアクションをされることが多くて。育っているときは自覚がなかったんですけど。意外に田舎の方の出身なんだなって思うことが多かったです。

 福岡の市内だけれども、ちょっと田舎で育って、18歳のときに上京して、早稲田大学に入って5年間学び……5年間についてはちょっと後でしゃべりたいと思うんですけど、フジテレビに入って今、アナウンサー9年目という感じです(2023年時点)。

 

 

すみません、今まで黙ってたんですけど…』は全2回で連日公開予定