「今回の交渉、こっちの勝ちだ!」とか「相手を論破してやった!」とか、いまだに交渉の勝ち負けにこだわってませんか? 残念ながら、それ大間違いですよ。
半世紀近くビジネスの現場で支持されてきた“交渉学の原典”『ハーバード流交渉術』には、そんな落し穴から抜け出し真の成功に辿り着く智慧が満載。しかも、マンガのストーリーを追ってゆくだけでサクッと理解できること間違いなし。
■「はい、論破!」「勝った負けた」の交渉から抜け出そう
例えば映画やドラマで、相手をぐうの音も出ないほど論破するタフなネゴシエイター(交渉人)って登場しますよね。まあ、たしかに観ている側はスカッとします。けれど、これって本当に「成功した交渉」って言えるんでしょうか?
現実のビジネスの場で、あなたが論破された側だとしたら、どう思います? 上司や同僚には「交渉で負けたんだ」と白い目で見られるし、渋々、相手の言い分に従ったとしても、ついつい根に持ってしまいますよね(私は100%根に持つタイプですw)。
ましてや社内調整などでの交渉の場で、「相手を論破して、こっちの言うとおりになった」なんて喜んでいたら、知らぬ間に恨みを買うハメになるかもしれません。そんな時、交渉の成果はもちろん、人間関係も上手く回せるのが、できるビジネスパーソンの必須テクです。
40年以上前に出版されたにもかかわらず、いま現在もそんな「できるビジネスパーソン」に「交渉の黄金ルール」を示した一冊として支持されているのが『ハーバード流交渉術』。そして同書の著者たちは、はっきりと「勝った負けたなんて交渉はNG」だと言っています。また、そうした泥沼のような交渉から抜け出す秘訣を、この本の中で一つ一つ解説しているのです。
■泥沼みたいな交渉から卒業するための秘訣は?
「じゃあ、その秘訣って何?」と気になるところですよね。同書の中で著者たちは、
第一原則:人と問題を切り離す
第二原則:条件ではなく利益に注目
第三原則:お互いの利益を考えた選択肢を示す
第四原則:客観的基準にこだわる
という四つの原則と、さらにBATNA(バトナ/交渉決裂の際のベストな行動)という、合わせて5つのフレームワーク(=考え方、問題解決の「型」)を示しています。そして、この四つの原則+αに従えば、誰であれ、また誰が相手であれ、交渉を成功に導くことができると言っています。
とはいえ、キーワードだけ知っていても仕方ありませんよね。かといって翻訳版で250ページ以上の一冊を読み通すのは少々時間と手間もかかります(豊富な事例やケーススタディが載っていてわかりやすいのですが……)。ましてや「いままさに交渉事でトラブっているので、手っ取り早く答えが知りたい!」という方も、少なくないでしょう。
■主人公・三芳ゆいと一緒に「交渉の黄金ルール」を学ぶ旅へ
ということで誕生したのが、今回の一冊『マンガでわかるハーバード流交渉術【四つの原則篇】』。中堅アパレルメーカーに勤める主人公・三芳(みよし)ゆいが、次々と遭遇する厄介な交渉を、ハーバード交渉術を学ぶことで乗り越えていく物語です。
マンガだけなら半日で要点は掴めますし、マンガ1話ごとについた解説をじっくり読んでも全5話+αの構成なので、1週間弱で「ハーバード流交渉術」のエッセンスは把握できるはずです(もちろん、この本で興味をもった方には、ぜひ翻訳版や原書に手を伸ばすのをオススメします)
【四つの原則篇】とあるように、いわば基礎編にあたるこの一冊では、先に挙げた四つの原則一つ一つを現実に即したストーリーに構成しています。「あ~、こんな場面あるなぁ」「こういう面倒くさい相手いるわぁw」と、“交渉あるある”を感じながら読み進めれば、より腹落ちしてハーバード流交渉術を身につけることができると思います。
なお、今回の刊行を記念して、双葉社のマンガサイト「webアクション」で短期集中連載が決定。「まずはちょっと試し読みを……」という方は、ぜひこちらをクリック。
https://comic-action.com/episode/3269754496556523494
■続巻ではさらに厄介な交渉の切り札「第五の原則」を紹介
さらに、5つめのフレームワーク「BATNA」については、2021年11月刊行予定の『マンガでわかるハーバード流交渉術【逆転の切り札篇】』も控えています。
本書が基礎編とすれば、こちらはいわば応用篇。【四つの原則篇】に登場する交渉相手がかわいく感じるほど、モンスター級に厄介な相手と次々遭遇。果たして、主人公・ゆいはどう「切り札」を見つけていくのか、こちらも乞うご期待です!