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小説

風林火山のむすめ

風林火山のむすめ
あらすじ

「父の悪行には、理由があり、封印紐の持ち主はその秘密を知っているそうだ」織田信長に敗れ、混乱に陥る武田家の当主・勝頼は、妹・松姫にこう打ち明ける。そして、「父の真意を聞きたかった。なぜ、あのような愚行をしたのか」とも。甲斐を拠点に猛将と恐れられた武田信玄。息子も、そして、娘も理解できない数々が、2人の心を苦しめた。悪か、それとも、正義か――。”5つの悪行”を知る人々を捜し求めることで、真の父親の姿を追う。荒れる戦国の世が覆い隠した、武将と妻と、そして、娘の物語。

『風林火山のむすめ』試し読み
風林火山のむすめ(1/3)
木下昌輝(きのした・まさき)
1974年奈良県生まれ。2012年に『宇喜多の捨て嫁』で第92回オール讀物新人賞を受賞。14年刊行の同作で第152回直木賞候補作となり、第4回歴史時代作家クラブ賞新人賞、第9回舟橋聖一文学賞、第2回高校生直木賞を受賞した。19年刊行の『天下一の軽口男』で第7回大阪ほんま本大賞、同『絵金、闇を塗る』で第7回野村胡堂文学賞、20年刊行の『まむし三代記』で第9回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞している。24年刊行の『秘色の契り』で第172回直木賞候補作になっており、自身4度目の候補作となる。