小学六年生の春。母が突然失踪し、ひとり残された櫻井蒼は、
東京から青森に住む祖母のもとへ引っ越すことに。
祖母は地元では「拝み屋」と呼ばれ、一目置かれる存在だ。
だが、その正体は鋭い観察眼と冴えわたる推理で人々の悩みを解き明かす、町の名探偵だった。
見知らぬ土地での暮らしに戸惑いながらも、蒼は祖母とともに数々の事件に挑むことに。
消えた三味線の謎、ねぶた祭の夜に起きた誘拐事件――。
不可解な謎と向き合うなかで蒼はやがて、家族の意味を問い直していく。